工房に戻り 製作に明け暮れている。陶器市を終えてしばらくの間 絵筆や粘土を見るのがうんざりする様な気がした。大きなイベントのあとは空虚感が先立ち何事も手に付かない。長年の経験より そういう時はひたすら本を読み 生きる事について思索しエネルギーの補充を行う。そして行くつく所は好きな事をやり続けられる事への感謝の気持ち。
宮沢賢治の春と修羅を読み返した。くらい世界 いつか来るだろう明るい世界を待つしかもお互いが相犯さない理想の世界 はてしなく遠い。夜どうし赤い眼をして泣いている一羽のさぎは宮沢賢治そのものなのだろう。
夜の湿気が風とさびしくいりまじり
杉ややなぎの林はくろく
空には暗い業の花びらがいっぱいで
わたくしは神々の名を録したことから
はげしく寒くふるへている
ああたれか来てわたくしに言へ
「億の巨匠が並んでうまれ
しかも互いに相犯さない
明るい世界はかならず来る」と
....遠くでさぎがないている
夜どほし赤い眼を燃やして
つめたい沼に立ち通すのか....
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