2008年4月30日水曜日

レイモンド  カーヴァー

 レイモンド カーヴァーは お隣のワシントン州 ヤキマに育ち その後カリフォルニャに行き チコ州立大学で創作の勉強をした。ブログを読んだ方から カヴァーにシアトルで仕事で会ったことがある。とメールをいただき いろいろ調べてみた。
 オリンピック半島にあるポート エンジェルスで1988年8月に50歳という短い生涯を終えた。一人の作家の足跡を読んでいく中で彼の友人 ウィリアム キトリッジの”不死身なるもの”でポートランドの ベンソン ホテルとか馴染みの深い名前を目にすると とても近くに感じる。カーヴァーの作品は 苦悩に充ちた悲痛な悲しみで私の胸をいっぱいにする。自分の知らないところでも 自分と同じ様に苦しむ人もいれば 幸せで他人の不幸に気が付かない人もいる。不条理ではなくはじめから 交わる事のない世界。しかしそれはそれで良いとして その幸せてのも経験してみようよと。
 話は違うが INTO THE WILD を読み終えたINTO THIN AIR を書いたJon Krakauerの作品 ,アラスカの大自然の中で命を落としたクリスの追想。実際にあった話。 ”森の生活” ウォールデン by ソローの本に憧れる数多くの若者達。この本の登場人物もその一人。映画になっているから今さら本を読む必要はないのかもしれないが。ショーン ペーンのすばらしい監督ぶりも聞いているが 私は本だけで良いと思った。(でもソローにはエマソンがいて 彼の面倒を見てたと言う事を皆 知らなさ過ぎる。)自然の中で生き残る事は想像を絶する。あこがれと現実の厳しさを思う。死んでしまうとそれでお終い。アラスカの森で一人 死んでしまった あなたを思うと涙がとまらない。  

休息

 昨日そして 今日と目覚ましもかけず、ジャーナルと読みたい本をベッドの脇におきのんびりとすごす。うたた寝をしていると 遠くの方で電話のベルとか 雨の音が聞こえる。大きなイベントの後はすごい虚脱感におそわれる。それを知っている友人たちは私が虚脱感の末 鬱状態に落ち込む前に 家から 引きずり出そうと おいしい話をもってくる。この週末ウォーターフロントパークに2000人の人が集まりタイチーをやるとか Jasonがどこかのバーで 演奏するとか、遠くの方でのお誘いに うん。うん。と返事をする。私とモンタナはそれぞれの場所ですごく居心地がよいので もうすこしこのままで居ようと思う。

2008年4月28日月曜日

ラトレル滝


 北海道陶芸会の 皆さんをご案内してコロンビア渓谷へ。火成岩の横断面に見られる種々の模様をなした割れ目のことを節理と呼ぶが このラトレルの滝は 柱状節理の様子が、まのあたりに観察することができる。滝自体の落差は76メートル。最初の移住者ジョセフ ラトレル氏の名前から名づけられた。一見の価値あり。

2008年4月27日日曜日

showcase 08 終了

 大勢の人の協力で無事 Showcase 08 終了した。景気が余り良くない上 ガソリンの高騰でどうかなと やや心配だったけれど去年よりセールスはのびたようだ。そのうえ コーバリスというポートランドから南へ2時間ほどの所にある ギャラリーが 最終日の今日 20点ほど引き受けてくれた。最終日はいろんなギャラリーが接触してくるのでおもしろい。23番街にあるジュエリー店も店の壁面におけるものをとの希望で 来週会うことになった。
 たくさんの人に出会い 忙しい3日間だった。カリフォルニャに住んでいた時に知りあった人に15年ぶりに会った。もう会う事もないのかとあきらめていた。しかも私の工房と彼女の勤め先は10分も離れていないと知り驚いた。そういうわけで いろんな思いのうちに陶器市 終了。   

2008年4月25日金曜日

showcase 08 初日

 一日め終了。さすがに朝10時から夜9時までの11時間は長く セメントの床に立ちずめなので疲れる。例年に比べると不況のせいか 全体的に客の数が少ない気がする。が 私の常連さん達は ドアが開いたと同時に 顔を見せてくれた。本当にありがたい事である。売れゆきも好調。新しい色とか敏感に反応してくれる。一年ぶりに会う陶芸家たちとの交流も楽しい。後2日がんばらなければ。
 息子のエリックも朝早くユウジンから応援にかけつけてくれた。明日午後2時に又学校にもどるとか 論文とか宿題のあいまの親孝行はだそうだ。私がミッシエル フーコーに今、夢中だと話したのを覚えていて 早めの母の日のプレゼントだとアンベルトエコの ON UGLINESSという本を買ってきてくれた。フーコーをはじめブションが登場して 面白そうな本でもう今夜は眠れないかもしれない。

2008年4月24日木曜日

Booth C-7




いつもより 時間がかかってしまったが それでも9時30分には全て終了 私が会場を出た時 まだかなりの陶芸家たちと その家族および友達だろうか 忙しそうに 作品や展示用の棚など 会場に運び入れていた。ミッドナイトまでに終わらせなければならないので皆 無口で黙々と働いていた。   

2008年4月22日火曜日

搬入


 4/23 いよいよ搬入します。Tomとまりこさんが手伝ってくれます。 約230人の陶芸家が 参加するアメリカでもかなり大きなイベントです。すべてが陶芸協会の会員によって運営されます。

偶然

 お仕事で空港アシストへ。ずっと工房にこもっていたから こういうお仕事は大好き。思いもかけない人たちに出会ったりする事が多々ある。 今日のお客さま 何と私の妹のご近所の方でひとしきり ローカルな話に。偶然とはいえ 人との出会いって不思議なもの。  

3方向


 

2008年4月21日月曜日

搬入まで後二日


 全ての過程終了 値段付けも終わらせた。4月25日から27日までの3日間うまくいくといいなと願ってる。  

2008年4月19日土曜日

思い出2 

 久しぶりに妹と電話で話す。近況報告をかねての会話はいつも楽しい。
私たち兄妹はテレビと無縁で育った。私達にとってのエンターテェメントといえば 本を読む事、家族との会話、日曜日の朝の母が焼くリンゴパン、お散歩と称して皆で歩く朝、父の帰りを待つ間の母の壮大なスケールの創作物語 延々と何日にもかけて続く河童の家族の遠征物、支那を舞台の父と母の愛の物語、食事の後の大コーラス( 時折ご近所に住んでいた小学校の先生方まで飛び入り参加。)よく歌を歌った。
 そして何より私たちにインパクトを与えたのは 父のBED TIME STORY 。去年の夏 兄と話していたらこの話になりもりあがった。父は私たちに 芥川龍之介の ”蜘蛛の糸”を繰り返し話した。カンダタが主人公のお話で 地獄に堕ちていた彼を お釈迦様が救おうとするのだが自分だけ助かりたいと言う気持ちが 極楽への道である 垂れ下がった蜘蛛の糸を切っててしまい 地獄にまっ逆さまに落ちてしまう。カンダタは悪い事ばかり生きている間やったが 一度だけ道にいた蜘蛛をふみつけず 助けた事があった。人間はどう生きるべきであるか、自分だけがという考え方が自分を不幸にしてしまうぞと 父のお話は終わる。きっと 私の兄も妹も自分の子供たちに この話をしたに違いないと確信している。

蜘蛛の糸. 芥川龍之介. 一. ある日の事でございます。 ... 御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮(しらはす)の間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下(おろ)しなさいました。 ...

2008年4月18日金曜日

陶板

           陶板は楽しく遊べる。創っていて楽しい。

大好きなチュウリップが届いた


 大好きなチュウリップを友人が工房に届けてくれた。部屋全体がはなやかになった。又今週末 寒くなるらしい。予報では雪なんて声も聞こえてくる。 

2008年4月16日水曜日

絵付け終了


 すべての絵付け終了。予定より4日はやくここまでこれた。ここ2ー3日 連日のように陶器市に来れない人たちが工房を訪れ 窯だしをする横で興味深げに見守っている。欲しいのが出てくると声をあげ 私の手からとりあげていく。私としても嬉しい悲鳴と言えばそうなのだが 出来たら世間の皆様にお見せしたいと思う。が、しかしこの方がたは1994年からのお客さまなのでありがたいと思う。もう20点あまりお買い上げいただいた。明日は少しゆっくりとできる。少し休んでいよいよ搬入の準備にはいる。  

洋梨の絵皿



 洋梨の絵皿 2枚
鉄分の多い陶土に白で下塗りし その上に 絵付けしたもの。もともと 抽象画をおもにやっていたのだが 絵皿にそれをやってみても なかなか買い手が付かず ある日 洋梨のモチーフを加えたら飛ぶ様に売れはじめた。買い手のとの接点を作る事が重要であると言う事にその時気が付いた 訳の解らないものには 手を出しにくい物だ。 

2008年4月15日火曜日

たがわいちろう



 妹から絵本と村上春樹の新聞記事の切り抜きが届く。不思議なことに私の気分が下降して行くのを察知したかのように愛しき妹からの便り。今までにも どれだけ彼女にすくわれた事か。猫と作者の世界が自分の生活にかさなり 涙がぽろり。ビビの自己主張と強さが私を元気にさせる。

2008年4月12日土曜日

自己満足

 あらゆる表現の前提となるものは 自己認識であるという事は解っている。解りきった事なのだが、表現主体を規定している現実世界が 幸福な時代とは言えず、私たちを取り巻く環境自体が 個人の自己認識によって変わる物でもなく、認識する事によって現実世界から疎外された気分をひきおこす。そう言う作業を繰り返していると 自分には表現する物がない、表現しなくてはならないものがないという時点に達してしまう。それは空虚感である。
 創造する事に意味をもたせてしまうと 苦しい下部構造からの叫びとか 下が上に取って変わる希望 イコール労働者の解放とか政治的意味がくわわっていく。自分のあり方を認識するということは結局のところ 何も出来ない自分にたいしての 自己防御、自己満足でしかないのかもしれない。

theremin テルミン

 友人の家で非常に珍しい楽器に遭遇し かなり興奮し その前を離れられずひんしゅくをかってしまった。 その楽器とは Theremin 日本ではテルミンと呼ぶらしい。1920年当時ロシアの物理学者でチェロ奏者だったレフ セルゲィビィッチ テルミンによって作られた世界最古の電子楽器 けん盤とかはなく 変わりにアンテナが二本垂直 平行にあり アンテナの周囲に微弱な磁場が形成され アンテナに手を近づけたり 遠ざけたりする事に寄って磁場を干渉する。その電磁場の変化は楽器内の発振器に作用する。その結果身体の動作により音の高さや音量が変化する。演奏者の個性や心理状態が音に反映する 恐い楽器なのだが 私はこれが欲しいと切実に思っている。

2008年4月11日金曜日

 久しぶりの良いお天気なのに 鬱々と内向して行く自分が自分でもどうしようもない一日になってしまった。 おそらくずっと工房で作業をしている事から発生した社会生活から隔離された様な気分、疎外感みたいなものだろう。手応えのないものをやりつづけている気分、投げたボールが暗闇に消えて行く。運良く日曜日にガイドのお仕事がある。気分転換に最高。この仕事を紹介してくれた人に感謝。もう一つ気分が暗くなるのは離婚の渦中にある友人の不安を目の当たりにしたからだろう。どんなに世の中が変わって行っても女性に取って不利な物は変わらない.経済的基盤の重要さをひとしきり思う。
 文部科学省が 小中学の学習指導要領で 日本の文化と伝統を愛し公共心を養うとした 教育基本法を学習目的にあげたという記事を見つける。小学校で君が代が歌える様に指導するとある。この関連性の理解に苦しんでいる。道徳とか愛国心とかどうやって教えられるのだろうか? 君が代を歌っても身につく物ではないのではないだろうか。

2008年4月8日火曜日

途中経過

 日本の友達や家族をも巻き込みながらの showcase 2008 準備 順調です。ご安心下さい。美しい作品が続々出来上がっております。 

2008年4月6日日曜日

思い出1

 長時間 工房で絵付けをここのところやっている。 じっと座って絵筆を持っていると いろんな事を思い出す。 幼い頃我が家では 誕生日とクリスマスはきっちり祝ってもらった。それぞれの好物を母が料理してくれた。私は ポテトサラダかマカロニサラダを頼んだ記憶がある。おそらくマヨネーズが大好きだったのだろう。小学5年生の時 ヒュー ロフティングのドリトル先生シリーズを両親より誕生日にもらった。 月からの使い月へ行く月から帰るなど夢中で読んだ。井伏鱒二が翻訳したと父から聞いた記憶がある。今でも実家のどこかにあるはず。
 どんな本を両親よりもらったか 絵付けをしながら思い起こしてみた。小学校後半から中学校へかけて オルコット 若草物語、 樋口一葉 たけくらべ,石森延男 コタンの口笛、パールバック 大地,宮沢賢治 注文の多い料理店など。高校生になってからは自分で本を選ぶ様になった。本を読む楽しさを教えてくれた両親に今さらの様に感謝する。
 最近の一番の楽しみは息子との読書談義 そういえば必ず母が先に私への本を読んでいたから同じような事をやっていたのだろう。私が図書室から借りた シャーロックホームズも 明智五郎もなぜか母はよく知っていて驚いた。私たちが学校に行っている間に読んでしまうという事に気づくのに時間がかかった。

 

2008年4月5日土曜日

沖縄ノート

”沖縄ノート』一審勝訴によせて”


上の文章クリックするとこの間から気になっていた大江健三郎の裁判の結果が読める。
このサイト、興味深く私の関心を引く話題がありよくのぞく。

2008年4月3日木曜日

新作

















 絵付けの後 釉薬をかけて焼いて完成した作品.今回は子供が産まれる友達が同じ時期に3人いたので右の写真のような奇妙な 動物や鳥なども描いてみたところ 搬入の前なのに既に売れてしまった。ありがたい事なのだがしょうしょう困ってもいる。